万華鏡の聖典と格闘した話 -1.翻訳のきっかけ

996年に万華鏡の制作を始めて以来、私は美しい万華鏡を作るだけでなく、その歴史を調べ、アンティークの万華鏡やおもちゃのコレクションにも熱中していました。

その中で出会ったのが、Brewster卿が1858年に著したこの本です。2000年前後のことでしょうか、Van Cort社(正確にはVan Cort Instruments――1980年代から90年代にかけてアメリカで質の高い万華鏡関連商品を手がけた会社で、木製のドラゴンフライやブッシュ万華鏡の復元品などで知られています)が復刻版を販売していました。ところがこれが、明らかにコピーによる手製本で、内容は小難しく、印刷はボロボロ、おまけに英語という三重苦。読みづらいことこの上なし。

それでも苦労しながらなんとか通読しました。技術的な説明が続いて退屈な面はあるものの、内容は本当に素晴らしい。200年近く前の著作でありながら、今なお万華鏡作家の教科書として通用するほどです。

それ以来、いつかこの本を翻訳したいという思いを抱き続けていました。

なかなか実行に移せずにいたのですが、ようやく世の中が私の願いに応えてくれました。そう、AIの進歩です。下訳をAIに任せれば作業は一気に楽になる。自分は訳の確認と手直しに集中し、難解な箇所や自分なりの見解は注釈として加える——そうしてこの本が完成しました。

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