万華鏡の聖典と格闘した話 -2.AIという助っ人

前回書いたように、ブリュースター卿の著作の翻訳は以前からやりたかったのですが、何度か挑戦しようとするたびに、原文を見た途端に果てしない作業の重さに心折られて挫折していました。

今回、翻訳を実現できたきっかけはAIです。まずチャッピー(ChatGPT)に相談すると、長文の翻訳にはAnthropicのClaudeが良いとのこと。そこでClaudeに相談するところから始めました。

AIへの指示には明確さが重要だと以前から知っていたので、翻訳開始にあたって以下の3点を伝えました。なお、版権の問題を避けるため、Project Gutenbergという著作権フリーのサイトの英文をベースにしています。

1:日本語としてわかりやすいよう自然に翻訳してください。ただし、万華鏡研究書として出版可能な文体を目指してください。
2:原文の省略は禁止。図版番号・章構成は維持してください。
3:別途単語の対応表(用語集)を用意するので、その用語集に従って言葉の揺れが生じないように翻訳してください。

まず最初の章(序章)の翻訳を依頼し、その文章を徹底的に推敲・修正しました。当初は文体が硬く、また不適切な用語もいくつかあったため、用語集を拡充しながらの作業になりました。

こうして翻訳の文体と用語の方針が固まった後は、以降の章を1章ずつClaudeに翻訳してもらい、内容を修正するという作業を繰り返しました。AIもだんだん精度が上がり、後半の章では修正箇所がかなり少なくなりました。

下訳を全てClaudeに任せることで、その分の時間を訳注に充てることができました。160年以上前の本ゆえ現代の知識では理解しにくい箇所も多く、また万華鏡作家としての経験から思うところも多かったため、訳注を書くことは楽しい作業になりました。

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